正看護師と比較した准看護師のデメリット
正看護師よりも給与が低い
日本看護協会が公表しているデータによれば、准看護師の月々の給与平均は28万円で年収はボーナス込みで407万円となっています。正看護師の月々の給与平均は33万円で年収はボーナス込みで475万円となっており、准看護師は正看護師と比べると給与はかなり見劣りしてしまいます。年間で67万円の違いがありますので、単純計算ですが准看護師として働いている人よりも正看護師は同じ生活をしていても1年で67万円の貯金ができることになります。
もちろん正看護師と准看護師は資格による違いなどはありますが、実際の業務に関してはそこまでの違いがありません。そのため、同じような仕事をしているのに給与水準が正看護師と比べて低い、と不満に感じる人もいます。また、正看護師は管理職を目指してさらに給与アップや仕事の幅を広げていくこともできますが、准看護師はそうもいきません。
キャリアアップが難しい
多くの職場では看護部長や主任といった役職は正看護師が独占しているような状態になっています。たとえ同じ能力を持っていたとしても、国家資格を有する正看護師が採用される場合が多いため、准看護師が看護部長や主任を目指してキャリアアップするのは非常に難しいということが言えるでしょう。
また、役職を上げるキャリアアップだけでなく助産師や保健師といった別のキャリアへと道を広げることも准看護師にとってはそれほど簡単なことではありません。助産師と保健師の資格は正看護師の資格を取得していれば受験資格を得ることができますが、准看護師は受験資格を持たないため、別のキャリアへ道を広げようと思ってもまずは正看護師を目指すことから始まることとなり余計に時間がかかってしまいます。
公的医療機関で採用されにくい
看護師の職場として一般的な病院ですが、准看護師の割合は40%なのに対し正看護師の割合が70%と大きな差があります。これは病院に勤めたいという准看護師が少ないのではなく、単純に大学病院などの公的な医療機関が正看護師の採用に積極的な姿勢にあることが理由となります。そのため、病院勤務をするためには正看護師が有利な状況だと言えます。大きな病院で最先端の医療を勉強したいと思っている准看護師にとってはそもそも病院で働くこと自体が大きなハードルとなるため、かなり厳しい状況になるでしょう。さらに一部の大学病院では准看護師の新規採用をしていないところもあるため、准看護師は正看護師に比べて自由に職場を選ぶことが難しくなります。